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第8回 蜂蜜エッセイ応募作品

鉢についた蜂

原澤 君子

 

 その日は夏の晴れた日、今日も朝から日差し強く眩しい太陽を感じていました。我が家の玄関先にある、お気に入りの多肉植物の寄せ植え。寒い冬を何度も乗り越えて、今は両手で抱えるほどのおおきさになってくれました。大切なこの植物への水をいつものように与えていた時のことでした。いきなり蜂が飛んできました。「え、どこから。」と思いました。その蜂はミツバチのようでした。「ドキッ。」声も出そうになりました。そんなことがあっての数日後、また水やりをしました。するとまた一匹の蜂。先日と同じことでした。「おかしいな。」と思いつつも日数だけが過ぎていました。ところがある日、今日は玄関掃除をするので、多肉植物の鉢を動かそうと持ち上げたその時でした。数匹の蜂がブンブンと飛び出したのでした。慌てて鉢を置き、その場からすぐに離れました。全くもって現状が理解できないまま立ち尽くす私でした。少し遠くから鉢を見てみたら、鉢の側面に丸いものが目に入りました。なんとグレーかかった蜂の巣でした。大きさは子供の握りこぶし半分。その巣に蜂がひしめき合っていました。二度目の悲鳴。ようやく理解できました。水やりの時、鉢からこぼれた水に反応していたのでした。よくもまあこんな場所にと思いましたが、おそらく多肉の花の香りに誘われたとも。ただ幸いなことに掴んだ位置が巣の場所とずれていたのでした。もう考えただけでぞっとしました。縁あっての蜂の巣はそのままとし、「ここに蜂の巣あり注意。」と張り紙しました。水やりの時は刺激しないように慎重にしました。そのかいあって無事過ごすことできました。秋になり気がつけば蜂の巣だけが残っていました。内心ほっとしました。ミツバチのおかげで、受粉という大事な働きがあるのですからね。来夏もやってくるといいなあ。「鉢についた蜂の巣」これが我が家の出来事なり。

 

(完)

 

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